「蹴りたい背中」のあらすじと感想のアイキャッチ画像

「蹴りたい背中」のあらすじと感想とネタバレ。最年少で芥川賞を受賞した作品を解説してみた。

小説を読むことが大好きなホッケです。

今日は蹴りたい背中のあらすじと感想とネタバレを紹介していきます!

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「蹴りたい背中」綿矢りさ 著

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綿矢りささん紹介

最年少芥川賞作家。

高校在学中に「インストール」で第38回文藝賞受賞。

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2008年までに70万部が発行されるベストセラー作品となっている。

そして、早稲田大学在学中に執筆した「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を最年少受賞した。

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芥川賞のある審査員は「下手な書きかたしちゃうと、低レベルのいじめ話か、つまらない恋愛小説みたいになって閉じちゃいそうな話を、絶妙に開いたまま上手に物語を手放してる器量には舌を巻きます」と絶賛している。

繊細に情景や心情を書き綴っている文章には、美しすぎる魅力が詰まっている。

あらすじの前に・・・

ホッケが初めて綿矢りささんの小説で読んだのが「蹴りたい背中」だった。

手に取ったきっかけは、やはり最年少受賞というインパクトに惹かれて。

はじめから期待値が高い状態で小説を読み始めたが、期待通りの素晴らしさで満足げに読み終えた記憶がある。

中学生の時に読んでも十分衝撃だったんだなぁ、と今さらながらしみじみ思ったりする。

あらすじ

主人公のハツ絹代にな川の3人を中心とした青春時代の一幕を映した物語。

陸上部に入っているハツは、クラスに馴染むことなく孤独な日々を送っている。

陸上トラック

しかし、あるキッカケから自分と同じように独りでいるにな川と仲良くなる。

そこから、一時疎遠になっていた中学のころからの友人・絹代とも再び仲が良くなっていく。

三人の何とも言えない青春のもどかしさが、くすぐったいように進んでいく

見どころ&ネタバレ

見どころは3つ!

①初っ端からぶっとんでいる表現

文章の表現がハンパなく美しいんです。

冒頭の一節から飲み込まれます。

さびしさは鳴る。耳が痛くなるほど高く澄んだ鈴の音で鳴り響いて、胸を締めつけるから、せめて周りには聞こえないように、私はプリントを指で千切る。

さびしさは鳴るという表現は、すこし行き過ぎているとは思うけど、それほどに音が嫌というほど聞こえてしまうからプリントを千切る音に集中している。

これは、聴覚に特化した表現になっている。

②五感が肥大化している理由

この物語は、五感が敏感になっているハツが多く描かれている。

その理由は、ハツが孤独だから。

五感のイメージ画像

孤独だから周りの音が大きく聴こえてしまうし、においや目に見えるものも敏感になってしまっている。

触覚「仲間という言葉はわさびみたいに鼻にツンときた」

視覚「階段の上の橙色の電球は、線香花火の火のように細かく震える」

こんな風に五感をつんざく表現が細部にちりばめられている。

③「蹴りたい」の意味

小説のタイトルにも入っている「蹴りたい」の意味は、どうしようもなく強がってしまっている自分自身(ハツ)のことを指していると思います。

孤立していることを、頑なとして認めたがらないハツ

にな川に恋心を抱き始めているのに、認めたがらないハツ

恋愛

そんな自分自身に対して、背中を押すのではなく「蹴る

青春の荒っぽい感情をそんな風にあらわしたんだと思います。

感想

この書評を書くにあたって、再度読み直してみたけど昔と変わらず圧巻だった。

青春を舞台にしている小説というのは、だいたいクラスの人気者を主人公にしている。

そこでは大抵の場合「キラキラした、儚げな、どんよりした

そんな後味を抱かせるような小説や映画が多い。

教室でデートをするカップル

ただ、この「蹴りたい背中」はそのどれにも当てはまらない小説。

クラスの余り者同士の奇妙な関係を描いているにもかかわらず、青春という痛々しさを感じられずにはいられない。

それは、自分たちが経験したことのある思春期真っ只中で抱いた言葉にできない感情を、映してくれているからに他ならないと思う。

ゴールがない物語だったのにも関わらず、なんて読み応えのあった小説だっただろう。

まとめ

この文章を大学生にして書けるって、綿矢りささんは本当に天才だと思います。

文層が素敵な人って本当に素敵です。

文章って書けば書くほど上手くなるらしいので、ホッケもいつか人の心に届くような文章が書けるようになりたいなぁ、なんて(‘ω’)

みんなも面白そうと思ったら、ぜひ「蹴りたい背中」を手に取って読んでみてね!

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